年収700万円の人が「住宅ローン3500万円」は危ない

不動産の購入

そのマンション、背伸びし過ぎてない?

マンションを買う時の注意点は、背伸びをした物件ではないかという事です。


福井市には私が把握する中で、現在106カ所の中古分譲マンションがあります。

中古マンションを買うメリットは何といっても「価格が安い」事です。

中古マンションの中には当時の新築分譲マンション価格の2割以下で購入できるマンションもあるくらい、中古は価格が安いのです。

しかし中古マンションの価格もピンキリで、福井市の中古マンションの中でもグレードや人気などによっては、新築分譲マンションとあまり変わらないものもあります。

マンションのグレードはそのまま価格に反映されますので、良いマンションを見てしまうと財布の紐も緩み、ついつい無理して、予算オーバーの高いマンションに手を出してしまいがちです。

ローンの支払いは長期に及ぶものです。

ローンで借りられる金額の上限は金融機関により年収の8~10倍とされることが多いですが、実際には年収の5~6倍程度を借りている人が多いようです。

このくらいが無理なく返済できる金額だと言われています。

例えば夫婦合算で年収700万円だとすると、3500万~4200万円までのローンを利用して住宅を購入するといった目安になります。


しかし、これが落とし穴です。住宅ローンはこれから30年、35年と長い間、返し続けなくてはなりません。その間にはどんな事が起こるか分からないのです。

購入当初は夫婦で年収700万円あったとしても、将来500万円、400万円になってしまうことがあるかもしれません。
今回の「コロナ」のような、一時的な収入ダウンまで考えると、さらに可能性は高くなります。

例えば子供が産まれて妻の収入が無くなった、夫婦のどちらかが病気になって働けなくなった、転職で給料が下がった、失業したなど、十分に考えられる話です。

一般的には、将来で一番高額な買い物は「住宅」と言われており、この住宅費は収入の30%以下が適正と言われてますが、実際には30%だと無理して返済することになりやすいので20~25%を目安とすることをお勧めします。




年収700万円の場合、月にすると約58万円ですから、住宅費としては毎月の支払いに14.5万円程度が限界でしょう。

ただしマンションの場合は、住宅ローンの返済費以外に、管理費や修繕積立金、駐車場使用料などが毎月かかります。

マンション種類やお部屋の大きさにもよりますが、だいたい、管理費+修繕積立金+駐車場使用料(1台)で毎月3.5万円程度、別途かかってきます。

さらに固定資産税も月1万円程は見ておかないといけません。

そうすると純粋に住宅ローンとしての毎月の返済は
14.5万円-3.5万円-1万円=10万円となります。

現在、福井の金融機関の3年固定金利は0.6%前後ですから、借入期間35年として、3800万円の借入で毎月10万円のローン返済となりますが、25年後、30年後、あなたは何歳になりますか?その時にも今と同じ収入が見込めますか?もし年収がダウンしてしまうと、ローンの支払いが重くのしかかってきます。

その為、年収が下がった場合など、不測の事態にも十分対応できるように、手元にも貯金を残しておくのが理想的です。本当いうと、住宅ローン返済額10万円の内の1/5の2万円は毎月の貯金に充てるくらいのマンション選びを私はおススメいたします。

その場合、年収700万円の人はいくらの借入が理想か?
先ほどの35年借入、金利0.6%、毎月の返済額8万円で計算すると、
3000万円となるのです。


マイホーム幻想を思い切って捨てよう


当然ですが、背伸びしたマンションに手を伸ばすのも避けるべきです。


そもそも、マイホームに背伸びしたくなってしまう原因は、そこに家族の幸せがあるように感じてしまうからです。

高度成長期、バブルの時代には、物質的な豊かさが幸せの象徴でしたが、今はそれほど物質的な豊かさを求める傾向は低くなりました。しかし不思議とマイホームだけにはこの幻想が強く残っているように感じます。

ハイグレードマンション、広いマンション、高級なマンション、人気のマンションは住んでいるだけで、ステータスを感じるのは事実です。

しかしこれらのマンションに住んでいても毎日の家計のやり繰りが火の車では決して幸せではありません。何部屋あっても使いこなせるとは限りませんし、掃除などの家事の手間が増えます。かえって「狭い方が家族みんなが集まれて楽しい」という人もいます。”サザエさんのような円卓を囲んだ家族団らん”
私も個人的にはそういうタイプの人間です。

マンションそのものに幸せを期待するよりも、そこで毎日どう暮らしていくか、通勤や買い物など、日常的な現実の暮らしやライフスタイルを考えてみて、良い面も悪い面も具体的にイメージして、マンション選びをしましょう。



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